内分泌代謝・シグナル学研究部門の柴田淳史准教授が、放射線医学総合研究所の中島菜花子研究員を中心とした国際研究チームと共同で、重粒子線照射後に引き起こされるDNA修復の仕組みについての研究成果を発表しました。本研究では、重粒子線特有の複雑なDNA切断が生じた場合、ユビキチンリガーゼであるRNF8がその修復に重要な役割を果たすことを発見しました。また、放射線抵抗性を示す非増殖期(静止期G0/G1)のがん細胞に対して、RNF8の活性を阻害すると、重粒子線によるがん細胞殺傷効果が高まることを見出しました。本研究内容は、DNA修復研究に関する国際的専門誌であるDNA Repair誌に掲載されています。
■Title
RNF8 promotes high linear energy transfer carbon-ion-induced DNA double-stranded break repair in serum-starved human cells
Nakako Izumi Nakajimaa*, Motohiro Yamauchib, Sangeeta Kakotic, Liu Cuihuaa, Reona Katod, Tiara Bunga Mayang Permatae, Moito Iijimaf, Hirohiko Yajimaa, Takaaki Yasuharad, Shigeru Yamadaa, Sumitaka Hasegawaa, Atsushi Shibatac*
*責任著者
■Journal
DNA Repair (IF: 3.711)
■Link
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1568786420301208