群馬大学は令和7年12月4日（木）、「A Life Course Approach to Women’s Health（女性の健康に対するライフコースアプローチ）」をテーマに、群馬大学未来先端研究機構国際シンポジウムを開催した。

群馬大学では、女性の健康に関する国際共同研究を強化するため、令和5年10月に未来先端研究機構に海外ラボラトリー（クイーンズランド大学）を設置し、「日本ナースヘルス研究（JNHS）」および国際的なコホート研究プロジェクト「InterLACE」を活用した共同研究を展開しており、本シンポジウムでは、女性の健康に関する体系的なライフコースアプローチ研究を推進することを目的に各研究者が最新の知見を発表した。

シンポジウム冒頭では石崎泰樹学長が開会挨拶を行い、続いて林邦彦特別教授が未来先端研究機構および「女性の保健医療従事者の生活習慣と健康に関する疫学研究(Japan-Study group on Nationwide Occupational cohorts of Women health professionals：J-SNOW)」の概要を紹介した。
基調講演では、クイーンズランド大学のギータ・ミシュラ教授より、女性の生涯にわたる健康問題を研究から政策・実践へとつなげる取り組みを紹介した。招待講演では、同大学のジェニー・ダウスト教授が、オーストラリアにおける月経過多に悩む女性の経験と医療支援の現状から得られた改善策を述べ、イギリス・ラフバラ大学のレベッカ・ハーディー教授が閉経年齢に影響を及ぼすライフコース上の要因について報告した。

未来先端研究機構・クイーンズランド大学ラボセッションおよび群馬大学の研究紹介では、JNHSにおける更年期症状の分析、中年期女性の体重変化と膝痛リスク、InterLACEによる子宮内膜症と更年期移行の特徴、2型糖尿病リスクの高い女性に関する最新成果など、多様な研究が共有された。また、群馬大学大学院医学系研究科の岩瀬明教授が子宮内膜症と妊孕性に関わる課題を報告した。

本シンポジウムはハイブリッド形式で実施し、国内外の大学関係者など78名が参加し、活発な議論が交わされる有意義な場となった。
【（左から）群馬大学　石崎学長, 林特別教授, クイーンズランド大学　ミシュラ教授】

【（左から）クイーンズランド大学　ダウスト教授,　ラフバラ大学　ハーディ教授,　群馬大学　岩瀬教授】

【（左から）クイーンズランド大学 チャン リサーチフェロー,　群馬大学　井手野准教授,　長井准教授、伊藤助教】

【（左）花屋機構長】

■関連リンク
The University of Queensland School of Public Health
群馬大学未来先端研究機構 海外ラボラトリー クイーンズランド大学