新しい癌マーカーや治療標的分子の探索研究
現時点では、癌は早期発見できれば長期生存を目指せますが、進行癌はそれが難しいという状況です。癌を治せる時期に診断したい、進行癌を治したい、というのが当研究室の目標です。
分子腫瘍学、腫瘍内不均一性、がんバイオマーカー
治療抵抗性、がんマーカー、分子標的治療、癌免疫療法
感染症の原因となるウイルスや細菌と異なり、癌は自分の細胞から発生するため多くの特徴が共有しており診断は容易ではありません。実臨床では、病理医が正常と異なる形態学的特徴を顕微鏡で観察することで癌と診断することができます。しかし、そのような顕微鏡的な特徴を観察するためには腫瘍組織そのものが必要であり、そのためには患者さんの体に内視鏡などの器具を挿入したり、針をさしたりするなど侵襲的検査、手術が必要となります
当研究室では、癌の早期診断マーカーの開発研究ならびに低侵襲に採取可能な血液バイオマーカーの開発に注目しています。
癌研究において培養皿のがん細胞は抗がん剤で簡単に殺すことができますが、生体内のがん組織は簡単には根絶できません。図1に示しますようにがん細胞 (紫)は周囲の間質細胞 (緑)や免疫細胞 (赤)とともに腫瘍組織内で複雑な相互関係を形成しています。それにより既存の抗がん剤に抵抗性を示したり、癌の転移浸潤が促進されることが知られています。
われわれは、このような腫瘍内の複雑さ (不均一性)を標的とした治療ツールの開発に関しても日々研究を続けています。