群馬大学未来先端研究機構の高稲正勝助教(当時)の研究チームは、細胞内でプリンヌクレオチド(以下、プリン)合成が活性化する仕組みの一端を解明しました。
プリンはエネルギー代謝や核酸合成に関与する、生物にとって重要な代謝産物ですが、その合成を調節する仕組みは十分には解明されていませんでした。今回、研究チームはプリン合成の化学反応の一部を触媒する酵素が、細胞内の液-液相分離現象により動的な凝縮体を形成することを発見しました。また凝縮体を形成できない変異体酵素を持つ細胞では、プリン合成活性が低下していました。プリンの過剰生産は高尿酸血症や痛風を誘発するほか、多くのガン細胞ではプリン合成が異常亢進しています。本研究成果により生体内のプリン量を減少させる阻害剤の標的となる分子が同定され、痛風やガンの治療薬の創発に繋がる可能性があります。
詳細はプレスリリースをご参照ください。
Masak Takaine1*, Rikuri Morita2, Yuto Yoshinari3 and Takashi Nishimura3
1 GIAR, Gunma University, Maebashi, Japan, IMCR, Gunma University, Maebashi, Japan
2 Center for Computational Sciences, University of Tsukuba, Ibaraki, Japan
3 Laboratory of Metabolic Regulation and Genetics, Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University, Maebashi, Gunma, Japan
*, corresponding author
■Journal
PLOS Biology(IF 7.8)
DOI番号 10.1371/journal.pbio.3003111
■Link
群馬大学未来先端研究機構
群馬大学生体調節研究所
群馬大学 Press Release
筑波大学計算科学研究センター