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高稲研究室

細胞内代謝ダイナミクス研究

細胞内のエネルギーはいかにして維持されるのか?
細胞が「元気」であり続けるための仕組みを明らかにします。

研究分野

細胞生物学、代謝学

キーワード

エネルギー代謝、シグナル伝達、老化、ATP、酵母

細胞内代謝恒常性の分子メカニズム

細胞は外界の環境の変化から、常にストレスを受けています。ストレスの例として浸透圧変化、温度変化、酸化ストレスなどが挙げられます。また栄養源量の変化もストレスの一種と言えます。このような外的刺激に対して細胞が適切に応答して、細胞内の代謝を維持できなければ細胞は損傷を受け機能不全を起こしたり、あるいは老化したり、また時には細胞死に至ります。したがって細胞が外界に対して応答する仕組みを詳しく理解することは、細胞の機能不全によって起こる生活習慣病や細胞老化の治療法の開発に応用できることが期待されます。

私達は理想的な真核細胞のモデルである出芽酵母を使用し、細胞が様々な環境変化に応答しながら代謝の恒常性(状態を一定に保とうとする性質およびその能力)を維持し、適応する分子メカニズムを明らかにしたいと考えています。現在では特に代謝反応の中でも生体のエネルギーを作り出すために必要なエネルギー代謝に注目し、生体の「エネルギー通貨」と言われるATP(アデノシン三リン酸)の細胞内の動態を詳しく解析しています。エネルギー代謝の破綻はがんを始めとする様々な疾患の発症要因となるため、その仕組みを理解することは医療への応用のために重要だと考えます。

研究方針と進行中の研究プロジェクト

細胞は常に環境からのストレスや栄養源等の様々な刺激にさらされており、このような外的刺激に適切に応答できなければ細胞は損傷を受け老化、あるいは細胞死にいたる。したがって細胞の応答機構を詳しく理解することは生活習慣病や老化の治療法の開発に必要である。

我々は理想的な真核細胞のモデルである出芽酵母を使用し、細胞が様々な環境変化に応答しながらエネルギー代謝恒常性を保ち、適応する分子機構を細胞レベルで明らかにしたいと考えている。

 

 

論文

  • Masak Takaine*, Hiromi Imamura and Satoshi Yoshida*.
    High and stable ATP levels prevent aberrant intracellular protein aggregation.
    bioRxiv, 2021.
    *Co-corresponding author
  • Masak Takaine.
    Assessment of Cytotoxicity of alpha-Synuclein in Budding Yeast Using a Spot Growth Assay and Fluorescent Microscopy.
    Methods in Molecular Biology, 2322:163-174, 2017.
  • Masak Takaine*, Masaru Ueno, Kenji Kitamura, Hiromi Imamura and Satoshi Yoshida*.
    Reliable imaging of ATP in living budding and fission yeast.
    Journal of Cell Science, 132(8):jcs230649, 2019.
    *Co-corresponding author

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